オリジナル


TOP


弟の初カノを姉の私が寝取るまで





 玄関を開けたら、天使が立っていた。
 もちろん本物の天使など見たことはなかったが、もしいるとしたらこんな感じなのではないか。その少女を目の前に、高原柚希(たかはら ゆずき)はそう思った。
「……あ、その、こんにちは……」
 どうやら出てきた柚希に驚いたようで、少女ははっと我に返ってからぺこりと頭を下げる。首筋に掛かった長い髪は艶めいていて、こわごわとこちらを見つめる瞳は黒目がちでくりくりしている。まだ幼い顔立ちが彼女の可憐さに拍車を掛けている。
 一言で言えば、彼女はとてつもなく可愛い女の子だった。
「……あの?」
 柚希がぽかんとしているせいか、不安そうに彼女は声を掛けてくる。慌てて口を開く。
「ああ、ごめんなさい。うちに何か用事で……」
「ちょっ、姉ちゃん! 何勝手に出てんだよ。出るなって言っただろ」
 後ろから大きな声がした。振り向くと弟の陽太(ようた)が二階から慌てて下りてくるところだった。
「えっ? この子、あんたの友達?」
「そ、そうだよ。もういいから、さっさと引っ込めって」
 陽太は柚希を脇へと押しやり、彼女を中へと招く。
「悪い。この人俺の姉貴だから気にしないで。とりあえず二階の俺の部屋行こうぜ」
「あ、うん……お邪魔します」
 遠慮がちに家に上がり込んだ彼女の腕を引いて、陽太はさっさと階段を上がっていこうとする。
 ――えっ、もしかしてこいつの彼女? こんな可愛い子が?
 混乱したままぼんやりと二人の背中を見上げていると、ふと少女の方が背中越しに振り返った。
 彼女はぎこちなく微笑んでからもう一度頭を下げる。そして二階へと消えていった。
 柚希は固まったまま動けなかった。心臓がばくばくと激しく音を立てている。
 ――あ、これダメなやつだ……。
 玄関の土間で靴も履かぬまましゃがみ込む。
 突如差し向けられたあのか弱そうな笑顔に、完全に射貫かれてしまった。
 彼女に、惚れてしまったのである。


 それから柚希は、一人悶々とした日々を送ることになった。
 大学の講義を受けていても、家の居間でソファにごろごろと寝ころんでテレビを観ていても、夜寝る時にベッドの上で目を閉じていても。頭の中にあの子の姿が浮かび上がって離れない。
 陽太はしばしば彼女を家に招いていた。前回のように柚希とバッティングするのを避けるためか、もっぱら学校帰りにそのまま彼女を誘っているようだ。
 時々大学から早く帰ってきて居間でくつろいでいると、玄関の扉が開く音がすることがある。廊下への扉を少し開いて覗いてみれば、わざわざ手を繋いで二階へと上がっていく陽太と彼女の姿を見ることが出来た。
 おそらく二人はもう付き合っているのだろう。だが柚希は、彼女を見る度にときめいてしまうこの想いを止められそうにはなかった。
 ――陽太め。中学生になったばかりのくせに、あんな可愛い子とどうやって仲良くなったんだろ……。
 弟をそんな風に恨めしくも感じてしまっていた。ほとんどやっかみだ。
 だからある日夕食の席で、怒濤の勢いで陽太に彼女のことを問い質してみた。最初は渋っていた彼も柚希の迫力に負けたのか、ついに白状した。
「わかったって姉ちゃん、しつこいなぁ。……確かにあの子と付き合ってるよ。まだ付き合い始めたばっかだけど」
 照れくさそうに、それでも自慢げにそう言われて、柚希は密かに失望感を抱かずにはいられなかった。やはり二人はそういう仲だったのだ。
「……あの子の名前、なんて言うの?」
「篠崎こまり、っていうんだ。名前まで可愛いだろ?」
 ――こまり、ちゃん……。
 確かに彼の言う通り、可憐な彼女にぴったりな名前だった。
 夕食を終えると、すぐに柚希は自分の部屋に引っ込んだ。明かりもつけないままベッドに倒れ込む。
「こまりちゃん……」
 今し方知ったばかりの名前を呟いてみる。じわりと、お腹の奥に微かな疼きが走るのがわかった。
 着ていたTシャツの中に手を忍ばせる。肌の上を滑りながら、胸の辺りに到達してブラを押し上げた。膨らみの先、桃色に色づいた突起をやや乱暴に指で転がす。すぐさま固くなってきた。
「んっ……」
 少し強めに揉んでみたり、そそり立った乳首をつまんでこねたりしているうちに物足りなくなってきて、右手をゆっくりと足の方へ下ろしていく。ショートパンツの前を緩ませ、ショーツの中にある自らの秘裂に触れた。既にどうしようもないほど潤んでしまっている。指の腹で擦り上げればぐちゅり、と淫らな音がした。
「こまりちゃん……こまり、ちゃ……っ」
 何度も名前を口にしてしまう。
 あの小さな体にこの手で触れてやったら、彼女は一体どんな顔をするだろう。嫌がるだろうか。それとも快楽に歪み、もっとしてほしいとせがんでくれるのだろうか。
 ――ダメ……。こんなこと考えたら。あの子は陽太の。弟の彼女なんだから……。
 湧き上がる情欲には逆らえぬまま、柚希は自分を慰める手を動かし続けた。


 もうこまりのことは考えないようにすることにした。しばらくすればこの焦がれるような想いも、やがて冷めていくことだろう。ちょっとした勘違いだったのだと、笑い飛ばすこともできるようになるはずだ。
 だが悪い意味で、運は柚希に味方してしまった。
 その日は午後に一つだけ入れていた講義が休講になっていた。遅くに起きた柚希はとりあえずどこかに出掛けたくなり、めかしこんで部屋の姿見の前で服装のチェックをする。プリーツスカートに、明るい色のカーディガンを合わせた格好だ。
 誰か友人を誘ってみようかとスマートフォンをいじっていたら、不意にインターホーンが聞こえてきた。
 まさか、と一瞬こまりの姿を思い浮かべたが、陽太はまだ学校から帰ってきていないようだった。両親も共働きで夜までいないから、きっと宅配便か何かだろうと、玄関に向かう。
「はーい、お疲れさまで……す……?」
 ドアを開けて、目を見開いた。他ならぬこまり本人が、玄関先に立っていた。
「あ……こ、こんにちは。あの、陽太くんいますか……?」
 か細い声で彼女が尋ねてきた。俯いてやや上目遣い気味にこちらを見上げるような仕草に、どきりとする。小動物的だった。学校帰りなのか、まだぶかぶかのブレザーの制服を着ているのも、小柄な彼女を更に小さく見せている。
 抱き寄せて、髪がぐしゃぐしゃになるまで撫でまわしたいと思った。
 ――よし、まずは落ち着け、私。
 小さく深呼吸して、柚希は平静を装う。
「陽太? 弟ならまだ学校から帰ってきてないみたいだけど……」
「あ、そうなんですか。……おかしいな、今日行くってメールしたのに。送れてなかったのかな……」
 がっくりと落胆した彼女が、そんな呟きを漏らす。きっと陽太は携帯を置いたまま学校に行ってそのままどこかに遊びに出かけてしまったのだろう。そういうズボラなところがあった。
「あいつ、携帯持っていかないでそのまま友達と遊んでるんじゃないかな。多分夕方くらいまで帰ってこないよ」
「……わかりました。すみません、お邪魔しました」
 彼女はお辞儀をしてからそのままきびすを返してしまう。
「ねえ、ちょっと!」
 気づけば、呼び止めてしまっていた。びくっ、と彼女は竦み、それから窺うような表情でこちらを振り返る。
 ――ちょっと待って。私、何しようとしてんの……?
 困惑する思考とは裏腹に、口が勝手に言葉を並べていく。
「せっかく来てくれたんだし、よかったら中に入ってお茶でも飲んでいかない?」


 ――何やってんだろ、私……。
 台所にて、紅茶のティーバックが入ったマグカップにお湯を注ぎながら柚希は思う。
「いえ、でも……」と遠慮する彼女をほとんど強引に「いいからいいから」と家に招きこんでしまったのだった。その結果こまりは今、リビングのソファで所在なさげにぽつんと座っている。
「おまたせ。熱いから気をつけてね」
 湯気の立つマグカップを持っていき、彼女の前のテーブルに置く。
「あ、ありがとうございます……」
 そう言って彼女は遠慮がちにカップを口に運んだ。一瞬はっとなってから、すぐにその表情が綻んでいった。お気に召したのだろうか。ここぞとばかりに柚希は話しかける。
「すごく香りが豊かでしょ? 紅茶の専門店で買った、とっておきのやつなんだ」
「はい、とっても美味しいです……」
 眉尻を下げたまま彼女はうっすらと笑みを浮かべる。最初に見たあの控えめな笑顔。柚希の心を鷲掴みにする破壊力は、まだ充分にあった。
「ありがと。……こまりちゃん、だよね? 弟から色々と聞いてるよ。あいつと付き合ってくれてるんだよね」
 さりげなく隣に座りながら、柚希は彼女を覗き込むようにして言う。突然距離が詰まって、向こうは視線を逸らしてしまった。
「は、はい。陽太君とはお付き合い……させていただいてます」
「いいよぉ、そんなにかしこまらなくても。もっと砕けた感じで、ね?」
 顔を寄せると、ふわりとミルクのような優しい香りが鼻孔をくすぐった。これが、彼女の香りなのだろうか。すでに高まってきていた感情が更に疼き出す。
「……ねえ、こまりちゃん。弟とはもう――キス、したの?」
 囁きかけるように問う。俯きがちだった彼女が戸惑いの色を浮かべるのがはっきりわかった。
「えっ……な、何ですか……?」
「だからキスだよ、こまりちゃん。もうそれくらいまでは済ませてるのかな」
 何だか変に緊張した空気がその場に漂い始めていた。それに押されてしまったのか、やがて彼女はぎこちなく頷いた。
「へえ、そうなんだ。早いんだね、今の子は」
 こみかめの辺りがじくじくと熱を孕み始める。彼女の初めてであろう口づけを奪った自分の弟に、柚希は明らかに嫉妬を感じていた。
「――じゃあセックスも、もうしちゃった?」
 気づけばとんでもないことを口走っていた。すっかり縮こまっているこまりは白い頬を真っ赤にした。セックスという言葉を聞いただけでこんな素直に反応するなんて、この子はなんていじらしいのだろう。
「ねえどうなの? 教えてよ、こまりちゃん」
 ねっとりとそう尋ねながら、チェック柄のスカートの上からそっと彼女の足に手を滑らせてみる。
「あっ……」
 彼女が小さく、吐息を漏らした。仄かに湿り気を帯びたそれを耳にして、柚希は完全に自分の理性が決壊するのを感じた。
 ――あ、もうダメだ……。
 次の瞬間には、こまりに顔を近づけている。
「えっ……んっ!?」
 彼女が顔を上げると同時にその唇に食らいついた。僅かな隙間をこじ開けて舌をねじ込み、彼女の口内を蹂躙していく。
「んんっ……んむっ、んふっ……」
 舌でかき回す度に唾液で湿った吐息が溢れてくる。グミのようにぷにぷにした舌に絡みついてやれば、両腕で捕まえている彼女の体がか弱く震えるのがわかった。
「……はぁっ……」
 充分に味わってから離れると、とろんと惚けてしまっているこまりの顔が目に入った。口の端から唾液がこぼれてしまっていて、それを舌先でぺろりと舐め上げてやる。
 そしてそのまま彼女を優しくソファの上に押し倒した。ブレザーの前を大きく開き、彼女がつけていたリボンタイを解く。
「……お姉さん、そんな……ダメです……」
 弱々しい声で彼女が言う。さすがにこれから先に起こることはわかっているようだ。だがぎゅっと目を閉じたまま抵抗はしてこない。できるほど気が強くもないのだろう。ならばそのまま、押し切ってしまえばいいのだ。
「大丈夫だよ、こまりちゃん。お姉さんが全部、教えてあげるからね……?」


 ボタンを外し終えてワイシャツをはだけると、つるつるした生地の青色のブラが露わになる。その下にあるなだらかな膨らみを包み込んでいた。すぐにでも触れたい欲求を抑えて、柚希はまず彼女のお腹にそっと口をつけた。
「あっ……」
 彼女の吐息が落ちる。張り付くようにしっとりした肌だった。透き通りそうなほど白く、そして無駄な肉は一切ない薄いその体は、まだ幼さを漂わせている。大人に成り変わる前の、女の子の肉体。清らかだった。
 ヘソの周りを舌でなぞり、窪みにも舌を入れてやる。くびれたわき腹に優しく歯を立てると、ソファの縁を掴んでいた彼女の手にきゅっと力が入るのがわかった。
「気持ちいい?」
「んっ……わ、わかんないです……」
「じゃあこっちはどうかな」
 前置きもなくいきなり彼女のブラを押し上げた。発育途中のなだらかな胸が完全に曝け出される。
「やっ……! ダメ……」
「ダメなの? じゃあ何でここ、固くなってるのかな」
 先端部分、綺麗なサクランボ色に色づいた小振りな蕾は、既にぴんと屹立しているようだった。指先で引っかくようにくすぐり、更に押しつぶしてやると彼女の背が少しだけ浮いた。
「こまりちゃん、オナニーとかしたことあるでしょ?」
 指と指で突起をこねながら聞く。処女にしてはやけに感度がよかった。おそらく頻繁に自分の体を慰めているはずだ。少なくとも一回や二回ではないだろう。
 返事はなかったが、彼女は唇を噛みしめ耳まで赤くしている。図星のようだ。
 こんな清純そうな顔をしているくせに……と尚更柚希の心は揺さぶられる。
「思ってたより、エッチな子なんだね。こまりちゃんは」
「ち、ちが……あんっ」
 そそり立った乳首を口に含み、吸いついて中で転がす。舌先で転がすとこりこりとしていて、癖になりそうな感触だった。
「あうっ……くっ……!」
 声を漏らさないようにか、必死にこまりは手で口元を押さえていた。そんな姿もまたそそられてしまう。
 もっと羞恥に喘ぐ彼女が見てみたい。
「そうだ。ねえ、こまりちゃん。私のことも気持ちよくしてよ」
 覆い被さっていた格好から一度ソファに腰を下ろし、柚希は上の服を脱ぎ捨てた。そしてブラも外すと、再びこまりの上にのしかかる。
 ぶら下がる二つの膨らみに彼女が息を呑むのがわかった。それを見て柚希はいい気分になる。付き合っていた何人かの女の子からは大きさも形も好評で自信があった。果たして、こまりは気に入ってくれるだろうか。
「……舐めてみて、こまりちゃん」
 ソファの縁に両手をつき、彼女の上に自分の胸が来るようにする。左の方が感じるのでそちらを選んだ。しばらくじっとしていたこまりは、まるで操られるかのように柚希の乳首をぎこちなくくわえ込んだ。
「あっ……! そうだよこまりちゃん、上手……っ」
 ちゅっ、ちゅるっ、と断続的に吸い上げられる。拙い愛撫だったが、既にしこり立って敏感になっていたそこには充分な刺激だった。それ以上に、純真無垢そうな彼女が今、自分の乳首を吸っているという事実が柚希を痺れさせる。
「舌使ってみて……。あんっ、そう……すごい……っ」
 言われたとおりに彼女は舌を突起に絡ませてくる。びりびりと電流が走るようだった。
 ――もう、我慢できない……っ。
 彼女をめちゃくちゃにしたい。そんな欲求が膨れ上がってもう止められそうになかった。
 柚希は体をずらし、こまりから口を離させる。彼女はきょとんとした顔をしていた。
「……次は、こまりちゃんの番ね」
 腕を下ろし、彼女のスカートの中に忍び入れた。手探りでショーツの先端に触れると、ぐっしょりと布地が湿り気を帯びているのが伝わってきた。
「あっ……そ、そこはダメです……っ」
 きゅっと足を閉じて、彼女は初めて抵抗を見せた。本気で焦っている表情。そんなものを見せられたら、ますます彼女のいやがることをしたくなってしまう。
「いいから。大丈夫、私に任せてよ」
「そ、そんな……」
 柚希は足をちょっとだけ開き、そしてショーツを下ろしていく。スカートの中から現れたそれは案の定ぐっちょりと濡れそぼっている。
「見てよ、こまりちゃん。こんなに濡らしちゃってるね?」
 足から引き抜いたショーツを彼女の前に持ってくる。濃く色の変わった部分に鼻を近づけ、わざとくんくんと音を立てて嗅いでやる。仄かなおしっこの臭いと、甘酸っぱい蜜の匂い。
「や、やだっ……や、やめて……くださいっ……」
 ただでさえ恥ずかしそうだった彼女は苦悶に顔を歪め悶える。
「じゃあもっと恥ずかしいこと……してあげる」
 そう言ってほくそ笑み、ゆっくり下へと下りていく。そしてこまりの足を大きく割って、その間に入り込んだ。彼女の股間を正面から覗き込む格好だ。
「わあ、すごい……」
 思わず声が出た。ぴたりと合わさった彼女の少女器官は、ほんの産毛程度に生えた性毛までびっしょりと濡れていた。
 両手の親指を使って幼肉の割れ目を開くと、鮮やかな紅色をした粘膜が姿を見せる。溢れ出した蜜にまみれて、まるで新鮮な果肉のようにてらてらと光っている。むわっと先ほど嗅いだショーツよりも濃い匂いがした。
「や、やめっ……き、汚いですから……っ」
 体を起こしたこまりが柚希の頭に手をやり制止しようとしてくる。この子はそんな恥じらいが、逆に自分を煽っていることに気づいているのだろうか。
「ごめんね、私が我慢できないから」
「ひゃあ……っ!」
 舌を伸ばし、広げたままの粘膜を舐った。彼女の力が緩んだ隙に唇まで密着させてしまう。
「あっ、あぁ……っ! 何、これぇ……っ!」
 柚希の頭に手を乗せたまま彼女が喘ぐ。秘口の周りの泡立った蜜を舐めとり、透けてしまいそうなほど薄い二枚の肉襞も唇に挟んで順番に吸ってやる。彼女が背を仰け反らせた。
「んくっ、うあっ! そんなぁ……っ!」
 こまりは乱れていた。強い快感に振り落とされないように必死に抗っているようにも見える。
 ――いいんだよ、こまりちゃん。もっとぐちゃぐちゃになって。
「うぐっ! んあぁっ!」
 まだ舌先で粘膜を弄びながら。柚希は彼女の蜜口に中指をあてがい、そのまま突き入れた。ごぽっ、と濁った粘液が押し出されてこぼれてくる。熱く湿った膣襞が、痛いほど指を締め付けてきた。
「すごっ……指、溶けちゃいそう……」
 更に指を押し進め、探るように動かしてみる。するとある地点でくっと指先を持ち上げると、彼女の体が大きく跳ね上がった。
「ひゃんっ! や、やだぁっ!」
 にやりと笑ってしまう。どうやらここが彼女の弱いところらしい。重点的にぐりぐりと、指の腹をこすりつけるように刺激した。
 裂け目の上で微かに盛り上がっている包皮も口に含んでみる。吸い上げるように包皮を捲り上げ、中でぴんと尖っていた肉芯を舌先で優しく弾いてやる。今までで一番激しく彼女の体が揺れ動いた。
「うそっ、だめぇっ! あ、あぁっ……!」
 こまりは悲鳴に近い声を上げた。最初に会ったときに感じていたあの純真無垢な雰囲気は失われ、彼女の顔は今快楽でとろけてしまっている。だがその方が一段と綺麗だと、柚希は感じた。
「ひっ……! ああんっ!」
 彼女の呼吸が短くなってきた。そろそろ達しそうなのだろう。ひきつった表情は恐怖を窺わせるが、それとは裏腹に腰は更なる快感を求めてかくかくと蠢いていた。
 ――それならちゃんと、イカせてあげる。
 責め立てるように差し入れた指を動かす。そして唇に挟んでいたクリトリスを強く吸った。
「あっ、だめ、だめぇっ! あぁ、ああぁぁっ!」
 彼女は背中を弓なりに反らして激しく体を震わせた。驚いたように見開いた目は焦点を失っている。長い絶頂に導かれていた彼女は、やがて糸が切れるようにソファに倒れ込んだ。まだ余韻があるのか腰がびくびくと動いている。
 乱れた髪が、高揚して色づいた頬にかかっている。この上なく、彼女は美しかった。
「もう、離してあげないからね……こまりちゃん……」
 そう囁いてから、柚希は荒く息を吐くこまりの唇を塞いだ。


「……フラれた」
 数日後。意気消沈した様子で学校から帰ってきた陽太は開口一番にそう言った。
「フラられたって……こまりちゃんに?」
「そう。なんか他に好きな奴ができたらしくて……。あーあ、初めての彼女だったのに……」
 がっくりとうなだれる彼の肩を、柚希は何食わぬ顔でぽんぽんと叩いて「きっとあんたにお似合いの子がいるって」と無難な慰め言葉をかけた。
 罪悪感はそれなりにある。だがもちろん彼に本当のことを話すつもりはなかった。
「んむっ……柚希さん、気持ちいいですか……?」
 そして今、そのこまりは柚希の足の間に顔を埋めて、うっとりした表情で淫裂を舐めているところだった。
 まだまだぎこちない舌の動きだが、だんだん柚希がいい反応をするところを捉えるようになってきた。呑み込みが早いのだ。
「うんっ……すごい……。気持ちいいよ、こまりちゃん……」
 そっと頭を撫でてやると、彼女は嬉しそうに顔を綻ばせる。その様子にまた情欲を掻き立てられてしまう。
 柚希とこまりは誰もいない時を見計らって、柚希宅の居間でまぐわうようになった。最初は柚希からメールで誘っていたが、最近ではこまりの方から連絡をとってくることの方が多い。
「……ねえ、交代しよう? 今度は私に、こまりちゃんを愛させて……」
 柚希が言うとこまりは素直に頷き、ソファに横たわった。そして膝を立てて大きく足を開き、自らの割れ目を指で広げてみせる。そこは既に溢れ出した蜜でとろとろになってしまっていた。
「……いっぱい愛してくださいね……?」
 艶めいた囁き。妖しく光る眼差し。まだあどけなさの残る容姿が、むせかるほどの淫らな色香を放っている。
 ――ひょっとしたら私の方が、この子に捕らわれてしまったのかも……。
 そんな恐れすら抱きながらも、柚希は今日も彼女に溺れていくのだった。



TOP



inserted by FC2 system